アジア時間の取引では、ドル/円が小幅安となり、ドル指数もわずかに下落した。投資家が12月の米利下げ観測を織り込み続けていることが背景にある。こうした環境下で、リスク資産やドル以外の通貨には限定的ながら支援材料となった。最近のグローバル通貨見通しによれば、米インフレの高まりと金利見通しの変化が、年末にかけて為替相場のボラティリティを高める要因になっているという。

暗号資産市場も序盤は静かなスタートとなり、出来高は低調で、主要通貨の値動きは小幅にとどまった。今週発表される米経済指標を前に、機関投資家が積極的な取引を控えていることが、薄商いの背景にあるとみられる。

欧州時間:方向感乏しく、材料待ちのレンジ相場

欧州時間の正午頃にかけても、主要通貨ペアの多くは狭いレンジでの推移が続いた。目立った経済指標の発表がなく、市場参加者は大きな方向性を取ることを避けている。あるマクロストラテジストは「本当の勝負どころはこれからだ。米コアPCEデフレーターとGDPの発表を見極めるまで、市場は様子見を続けるだろう」と述べた。

暗号資産市場も同様に、積極的なフローは見られず、出来高は控えめなままだった。規制動向と金利見通しという二つの不確実性を前に、機関投資家が「様子見スタンス」を崩していないとの見方が多い。

NY時間:テクニカルなサポートを意識した持ち合い

ニューヨーク時間入り後、ドル指数は小幅に反発し、テクニカル上の重要なサポートゾーンを再確認する形となった。これにより、ドル/カナダドルやユーロ/ドルなど主要通貨ペアは、それぞれ最近の持ち合いレンジ内に押し戻される格好となった。目先のボラティリティが低いのは、トレーダーが重要指標前にポジションを軽くし、身動きしやすい状態を維持しているためとみられる。

一方、暗号資産市場は薄い流動性に押される形で重い値動きが続いた。規制に関する新たな発表やマクロ経済のサプライズといった明確なトリガーが見当たらない中、価格はレンジ内にとどまり、ボラティリティも抑制された状態だ。

引けと今後の注目ポイント

米市場の取引終了時点で、為替および暗号資産市場は総じて中立的なポジションにとどまった。ドルは底堅さを保ち、他通貨は明確な上昇のきっかけをつかめないままとなった。暗号資産も出来高の低さが続き、多くの銘柄が前日比ほぼ横ばいで引けている。

今後、注目されるのは米コアPCEデフレーターやGDPなどの主要経済指標に加え、FRB高官の発言だ。これらは為替市場と暗号資産市場双方のボラティリティを再び高める可能性があり、今後24〜48時間はデイトレーダーおよびスイングトレーダーにとって重要な局面となりそうだ。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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